2019年08月12日
0x20190812:アルコールストーブが壊れた話
Esbitのアルコールストーブを買って1年ほど。登山やキャンプで何度か使ったほか、自宅でシイタケを焼いて食べるのにも使った程度、使用回数は20回に満たない。そのアルストが壊れた。
この度東京から高速バスにて青森に向かい、十和田湖畔の宇樽部キャンプ場にて3泊の夏キャンプに行ってきた。アルコールストーブは20年来の相棒、サウスフィールドの食器セット(多分これ)に入れて持ち歩いていた。燃料用アルコールは300mlの綾鷹のペットボトルに入れたほか、アルストにも入れておき、ザックは高速バスのトランクに預け、ぐっすり眠って青森へ。
初日は青森ねぶた祭り、次の日は岩木山に上りつつ弘前ねぷた祭りを楽しみ、3日目からやっと十和田湖へ。宇樽部キャンプ場に到着し、アライテントのエアライズ2とDODのブラックタープを設営して、食事の準備にアルストを取り出した。すると、入れておいたはずのアルコールは入っていない。漏れたのかと思い、食器セットのにおいを確認するも特に異常はない。追加で持ってきたアルコールを入れると、容量の半分を超えたあたりで下の写真の矢印のあたりから、アルストを傾けていなくてもアルコールがこぼれてきていることに気付いた。

傾けたらこぼれるのはわかる。しかし傾けなくてもこぼれるのはどうしてか。しばらく観察していると、この輪のようになっている部分に異変があることを発見した。
ここは問題がない個所。

一方、こちらは輪の部分で、幾枚かの金属板がばらけているようになっているのがわかる。爪を押し込むとちょっと入るくらいに広げることもできてしまう。

実際、アルコールを入れてみると、輪の部分を超える量に達したときに、このはがれたあたりからこぼれてきているのがわかった。加えて、内蓋のゴムのパッキンが異常に固く、縮んでおり、明らかに急速に劣化したような状態になっているのも分かった。
破損などが少ないとされるアルストだが、どうしてこんな破損が起きたのか。そもそも、もともと入れていたアルコールがなぜなくなっているのか。仮説はこうだ。高速バスのトランクの中で高温になり、ストーブ内のアルコールが揮発した。膨張した気化アルコールの体積が大きくなり、逃げ道としてアルストの版面の張り合わせ部分を破壊して外に漏れ出た。その際、高圧にさらされたゴムパッキンも劣化した。そもそも温度変化には強いはずだから、単に熱が加わったことで金属の張り合わせが損傷するとは考えにくいため、アルコール揮発による圧力で破損したと考えている。
いくら壊れにくいと言っても、正しい使い方をしないと壊れる。アルストの場合は、アルコール燃料を入れたまま持ち歩くのは危険な可能性がある。今回は事故にならず本当によかった。白ガスも持っていたため、下手にアルコールが爆発したりしていたら洒落にならなかった。今後の教訓となった。